ファイル整合性検証は、CDNetworksが開発した機能で、顧客がHTTPハイジャックやコンテンツ改ざん問題に対処するのに役立ちます。この機能は攻撃を効果的に防止し、リクエストされたファイルの完全性と正確性を保証します。大容量ファイル転送が必要なシナリオや、エンドツーエンドHTTPSが完全に実装されていない状況での安全なデータ伝送に特に適しています。
インターネット環境が複雑化する中、ハイジャックや改ざんはコンテンツプロバイダー(CP)にとって重大な課題となっています。
- 動画サービス:フレームドロップ、画面ノイズ、コンテンツ不一致、再生不能などの問題が発生
- ダウンロードサービス:インストール失敗の原因となる可能性
HTTPハイジャックとは?
- 中間者攻撃(MITM)によりユーザーのリクエスト/レスポンスを傍受・改変する行為。ユーザーが不正なファイルや古いバージョンのファイル、悪意あるサイトへ誘導される可能性があります。
HTTP改ざんとは?
- データパケットの内容を無断で変更する行為。不正確なファイル配信やマルウェア注入を引き起こし、ユーザーが改変されたコンテンツにアクセスする原因となります。
実装方法
CDNetworksは3つのソリューションを提供します。要件に応じて最適な方式を選択可能です。
| 機能 |
説明 |
適用シナリオ |
| レスポンスヘッダートークン検証 |
レスポンスヘッダーのトークン検証により正規サーバーからの応答かを判定 |
ハイジャック防止が優先・コンテンツ改ざん防止要件が低い場合に推奨 |
| オリジン基準ハッシュ検証 |
オリジンサーバー提供のハッシュ値でファイル整合性を検証 |
データセキュリティ要件が高く、オリジンがハッシュ値を提供可能な場合に最適 |
| CDNアルゴリズム基準ハッシュ検証 |
CDNサーバーのハッシュ値を専用監視システムで比較して整合性を評価 |
オリジンがハッシュ値を提供できず、絶対精度が不要な高セキュリティ要件環境向け |
レスポンスヘッダートークン検証
- サーバー(オリジン/CDN)がファイル配信時にレスポンスヘッダーにトークンを付与
- クライアント(CDN/エンドユーザー)が事前合意ルールと照合し、検証失敗時はHTTPSリトライ
オリジン基準ハッシュ検証
- サーバーがファイルハッシュ値を計算しヘッダーに付与
- CDNがキャッシュ後ハッシュを再計算し照合。不一致時はキャッシュ削除&HTTPSリトライ
CDNアルゴリズム基準ハッシュ検証
- オリジンサーバーはファイル提供時にトークンやハッシュ値を付与せず、ファイル自体のみを返します。
- CDNがファイルをキャッシュ後、CDNetworks独自の内部アルゴリズムでハッシュ値を計算し、CDNetworks監視システムに報告します。
- 監視システムは全CDNサーバーから収集したハッシュ値の記録を保持します。新規CDNサーバーからハッシュ値が報告されると、既存のハッシュ値と比較してファイルの整合性を評価します。
- 不整合が検出された場合、監視システムはアラートを発報し、当該サーバーからファイルを削除。サーバーにファイルの再リクエストを促します。
- ハッシュ値が一致する場合、監視システムはCDNサーバーに成功結果を返信。これによりCDNサーバーはユーザーへのファイル配信を実行します。
設定方法
HTTPヘッダー設定など複数オプションを組み合わせる必要があり、設定が複雑なため事前にCDNetworksテクニカルサポートまでご連絡ください。要件確認後、当社が設定を代行します。
注意事項
- トークン検証とオリジン基準ハッシュ検証は顧客側のオリジンサーバー/クライアント連携が必要
- オリジン連携不可の場合はCDNアルゴリズム基準検証またはCDNetworksオブジェクトストレージサービスの利用を推奨